迷子の妄想、ループループ!
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自殺する深海魚の悲しみを聞いたか (島→凖→和)
片思いネタは暗いからすきじゃないんですが・・><

1年くらい前に書いたもののリサイクルです^^
ちょっと改稿しました。


title;9円ラフォーレ




凖太、凖太、凖太、

何度呼んでも振り向かない手に入らない俺なんか存在しないかのように存在しているそれが俺の想う高瀬凖太だった。無論、今だって。黒い綺麗な髪をぐしゃぐしゃにして長い間ずっと枕から顔を上げようとしない、窓の外をみると雨が降っていた。



自 殺 す る
 深  海 魚 の
   悲  し み  を
     聞 い た か




優しく心配そうに疑問符を与えても甘い甘い言葉をかけてやっても愛しそうに大事に大事に髪を頬を撫でてやっても何の反応もねえ、ああそういえば高校時代球児だった時から凖太は頑固で不可解なところがあった、誰にも触れさせなかった(だからこそ凖太は汚れなき神秘的な美しさとでもいうのかをいっそう深めてマウンドに立っていた、)

「慎吾さん」

三日ぶりに聞いたその声は思ったより枯れておらず、ああそれはずっと声を押し殺して泣いていたからなのだと凖太のひどい顔を見て思った。白いシーツには大きい水のしみが出来ている。

「なに?」
「俺、俺…、」

細かく震える凖太の肩を抱き寄せてやれたらどんなによかっただろう、先刻までは甘さを吐きだせるほどしてやれた行為なのに。こいつの涙を全て抱き抱えられるほど俺は偉大じゃない、例えばあいつみたいに。

「どうすれば、も、う…う、うう」

もはや意味がない。なす術も寄る辺もなく俺は凖太をぼうっと見ていた。

それから半時間は経っただろうか。事態は何も変わらず俺は俯く横顔を見ている外なにもできない。強いて言うなら、凖太の濡れた睫毛や、艶めいた黒髪、野球をやめて一層白くなった肌なんかを見ていた。何食ったらこんなに綺麗になれんだとか思いながら。

「し、慎吾さん…」

お、反応とか思うと同時に凖太は俺の背中、肩甲骨の下くらいに両手を回した。

「う、う、」

俺のTシャツの胸のあたりで鮮やかな緑がぽたぽたと濃い緑に変色していく。髪を撫でてやろうとしたその時だった。

かずさん、

そう凖太の口が象るのを俺は見逃さなかった。その瞬間凖太を押し倒していた。凖太はもう抵抗するというより動く気力すら残っていないようでうっすらと目を開け、またぎゅっと目をつぶった。その動作がいやに痛々しくて、すっかり冷えた心で再度凖太を抱き起こした。

「慎吾、さ、ん」

俺を潤んだ大きい瞳で見上げながら、何かいいたそうに口を半開きにして暫く凖太は動かなかった。その間ずっと俺は髪を撫でてやっていた。

シーツや服の裾なんかぎゅっと強く握り締めている手を見たら、引っ掻き傷の腫れたり内出血になっている惨状で思わず目を細めた。

ああ、こんなになるまで和己のこと思ってたんだな、どんだけ和己のこと好きなんだよ、こいつは和己さえいれば生きてられたんだ

なあ和己、こんなにお前のこと思ってくれてるやつがいるんだぞ

生き返ってくれよ、

溜め息を吐こうにも、凖太はまだ泣いてるし、雨はまだ降っている。状況は何も変わっていない。なんて損な役回りなんだろうか。しかし凖太が縋り付くのが俺で無ければ、とも考える。とんでもない、俺以外のやつの背中に指を預ける凖太なんて!

囚われているのは誰だろう、

自嘲の笑いが口端に浮かんだ。掻分けた凖太の前髪に額に湿った唇で口づけを落とした。俺にはこの温度だけで。

生きていける、そう思った。



( end )

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昔に書いたものです
掘出して改稿してみました^^
文(おおふり) comments(0)
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